いしざき徹さん
思いやりと笑顔あふれるまちへ
Q.ドローンの資格を取られていました。
防災の観点からのドローンの資格取得
高いですね、ドローン(笑)。
三田でライセンスとったけど、登録料やらなんやらで9万円だった(笑)。本体は15、6万ですしね。
基本的にね、ドローン興味あったけど、操縦難しいし、事故ったら大変やなあとは思っていました。
たまたま防災の関係で知り合った方がドローンのインストラクターをやってたんです。親しみやすい方だったんで、色々と話を聞いて、一度ライセンスだけ受けるわと申し込んだら、まさか10万もするとは思ってなかったんです(笑)。最新のドローンはほんとうに頭いいから、無茶せんかったら安全かなと思います。
いざ災害が起きた時に、状況をマスコミとかに情報提供できる。2年前から、防災士会の事務局長もさせていただいて、NHKと連携、情報提供の協定結んでたりするんで、高砂は水害あるかもしれないし、その辺りで活用できるかもしれないなと。地震の後、被害状況や屋根の状況などはドローンあると便利だと思います。
例えば、学校で防災訓練をする。避難訓練の様子など、ドローンで上から撮影しておけば、後で振り返り、反省点などの提供もできるし、色々活用できるかなと。ただ、増えてはいるけど、地上権があるから、なかなか飛ばすところが少ないのは、まだ難しいところです。
地域の秋祭りの様子など、上から撮ったらどうかな?とか、色々活用の幅は出てくるかなと。機械が勝手に撮ってくれるんですよ。マスターショットボタン押したら。音楽付きで編集してくれる。もっと上手になったら活用していきたいです。
Q.議員になられた経緯は
不動産業界を通じて市政へ
元々は高砂の住宅会社に、勤めていたんですよ。土地の仕入れとか、申請とか、造成のね。住宅地の造成の計画づくりとか申請とかやってて、高砂市とか県民局とか県庁にも行ったことある。いろいろ相談しに行ったんです。
高砂市って、人口10万人以下の市なんで、開発するときの造成の許可権限が高砂にはなくて、県の許可権限なんですよ。加古川、明石、姫路は自分とこで許可権限持ってるんで、計画の基準も、自分達の市でふさわしい基準を決めていけるんだけど、高砂、稲美町、播磨町は県の許可基準なので、どうしても、神戸のような大都市から山間部まで、県全体を一つの基準で網羅する計画にしなければならない。だからその市町にとって、ふさわしくないところも出てくるんです。
阪神淡路大震災の被災や復興が1番大きく影響していると思ってて、行き止まりの道路を設ける場合は、終端に避難通路設けなさいとか、35メートル以内に車が展開できる場所を設けなさいとか規制があって、その通りに開発できないところも出てきています。近隣市と同じような基準にしてほしいと要望しているが、県に了承を得るのはなかなか難しいです。
それぞれの地域に合わせた計画づくり、できてるように見えるんですが、その辺りが、無駄と思える転回広場や避難通路を作らないといけない基準であって、販売できる宅地面積が減ってしまう。減った分は、事業者が損するのか?といえば、1区画の販売できる価格って決まってますから、そこから、造成費、設計測量、もちろん土地の購入費用とか必要な経費を試算して、販売価格からそれらの経費を引いて、造成費とか原価をずっと引いていくと、言い方悪いですが、加古川とか姫路より道路などの面積が余分にかかるものがあれば、その分工事費もかかります。宅地として売る面積が減ります。で、最終的な皺寄せは地主さんにかかるんです。加古川であれば坪15万で買える田んぼでも、高砂だと12万円でしか買えなくなってしまう。同じ坪単価で販売できるところで。そうゆう形になっちゃうんで、資産価値の減少は市としてもマイナスじゃないですか?とずっと言うとんやけど、難しいですね。
それがきっかけで、市や県と交渉して、市に言うたら県のせいにするし、県に言うたら市のせいにするしで、人口がどんどん減りよるでしょう?人口の減少を食い止めるには、良好な住宅地を作ることが1番の対策だと思ってるんですよ。それをすべきじゃないかな?というのが一つのきっかけです。それからです。市議会議員になったのは。
しっかりしたまちづくりが人を集める
明石市の人口がドーンと増えたといいますけど、関東の方でも増えたり減ったりはあります。増えてるところは、まちづくりがしっかりしている。
明石市の駅前再開発もありますが、大久保の北部はどんどん区画整理されて、ものすごく住宅地の人気が出てるのは確かですね。人も増えたら、道も良くなるし、相乗効果の部分が出てくる。そこから子育て支援ですとか福祉とかがプラスされていってます。結局、街づくりは良好な住宅地を作っていくことが1番だと、8年間言い続けています。
2期目になった時くらいから、登市長も住宅地の整備って重要やと、号令かけてくれるようになったんだけど、なかなか市と県で話は進んでない。そんな中でも、市の範囲でできることを一生懸命考えてやってくれている。ありがたいなと思います。交渉はしてくれとるし、できることをやってくれているので、だいぶ変わってきました。
ただ、いかんせん、新しい住宅地を建てる田圃が少なくなってきて、大きなマンションを建てられる場所も特になくなってきてるんで難しいですね。良好な住宅地がないと加古川よりも、人気は落ちてくると思うんで、もともと交通や買い物の便利さも求められるので、不動産屋さんもなかなか高砂は難しいなと、言うてる人多いですよ。
その辺をどう変えていくかが課題かなと。
産まれる子供の数は減っているから人口が減るのは仕方ない。人口構成だけの問題やろなと思うんですけど、減少の中でどう暮らしやすい街づくりをしていくかなんです。
難しいですね。子育て子育て言ってたら、高齢者はどうなるんだ?とかありますしね。色々バランス良くしないといけないと思うんだけど、バランスよくやると秀でたものがなくなる、秀でたものをしようとすると、バランスが崩れる。どうしたもんかなと思いますね。
明石市は子育てと福祉に力を入れるから、施設の改修にあまりお金をかけられない状況がみれるし、マイナンバーカードで住民票取るのも今年やっとできたくらいで、遅いですよね。そういう細かいところは明石市も影響が出ていると感じています。秀でたものも一つ二つ大事ですよ。しかもマスコミが取り上げてくれるっていうことは1番いいことですから。
今、明姫幹線の南側、新幹線との間の調整区域をどう活用するかって話にもなってますけど、なかなか進まないですね。遅いです。時間かかりすぎてる。時期的なものとスピードですね。
県は住んでる市民とか県民のことは考えてないと思えてならないです。県は自分達で決めたことは間違いない。それに従いなさいという姿勢が1担当者クラスまで浸透しているように思うことが多いです。上の人になると柔軟になるのかもしれないけども、そういう教育してるのかな?と思うくらい。市の職員とは全然違うと感じます。
Q.大事にしていること
1番は教育
子育て大事だと思うけど、1番は教育だと思うんですよ。社会教育というか、道徳的なもの。家庭教育、そういうの難しいですよね。どうしていいか。
学校の先生は県の職員なんですよ。学校の施設は市であり、教育委員会も市です。
県の方で、1学年の生徒が何人だから先生の配置は何人て決まってるんですけど、それ以外にソーシャルワーカーだったり、福祉関係の指導者の配置であったり、司書の配置でしたり、副担任ですとか、事務の職員は市で入れていく形になるので、市費でプラスアルファの人員を置くことは可能ではあるんですけどね。
詰め込み教育じゃないけど、英語力の向上は大事だと思うんです。例えば小学校2年生くらいからの。
ただ、カリキュラムを作るには、県の絡みもあって、どういうふうに組み立てていくかは、これからの課題ですね。その上で、高砂市が特色のある教育として、仮に英語をやるとか、総合学習の時間もたくさんあると思うんだけど、学校教育で、特色のある何かを出せたらなあ、というのは理想の形としては思います。
子供たちに防災の指導をしてますけど難しい。小学校低学年、高学年、中学校、高校とレベルにあわせた話をしますが、学年が上がると違いが大きくなる。聞いてくれる高校もあれば、全然なとこもある。いかに子供たちの興味を引き出していくかですね。
学校でもタブレット入りましたけど、初めの頃は、授業をどうやってオンラインで配信するかが課題でしたね。
タブレットからの配信だと生徒が発言しているのは、見えないし、オンラインで授業を受けている子は発言できない。双方向でできる設備がいると、ずーっと言ってきたんです。市内に大体300クラスくらいあって、今年の4月に各クラスにカメラとマイクをセットで設置すべきと提案しました。1クラス30万くらいなので9000万くらいかかる。コロナの臨時交付金使ったらできると。まあ、却下されちゃいました。でも、当初予算で各学校に1セットづつは入ったから、今後は経過を見て導入を検討するとのことですから、一歩前進です。あと教育関係に寄付したいいう人がいて、ぜひマイクセットを寄付してくださいと、寄付していただきました。
高齢者福祉
高齢者福祉に何がいいかなって考えようけど、なかなか難しい。年金減らされるとか、市に言われても、どうしようもないからね。
コロナ臨時給付金で子供ばっかりと言われて、年金生活者にもとは言われますけどね。独自の政策は移動支援が必要と思いますが、何してもうまいこといかない。タクシーにしても利用者が限定される。どこの市を見てても。幅広く個々の施策を細かくやるにはお金が足りない。タクシー助成金もお金がかかるしバスもあまり利用されてないです。
高砂市、平成23年に水害がありました。あの後に、ポンプ場の整備や雨水管の整備、排水の整備。200億以上を、10年間でやってますから。県も300億ぐらい川の改修に出しています。財政的にはこれが大きかったと思いますよ。これがなかったら、かなり楽だったとは思います。整備しても、それで終わらへんからね。その後も維持管理や運営で費用はかかるから。
平成30年7月豪雨の時に、加古川が氾濫危険水位に達した時に指定避難所に避難した人は0.9%です。高齢者とか障がい者の避難は課題です。避難したら、今度は避難所の課題がある。知的障害の子などパニックになって入れられないですから我慢して車にいたりするんです。避難所に1つや2つ福祉避難室が必要です。でも、設けたら、誰が運営するの?と。職員じゃ対応の仕方がわからないんで無理ですと。福祉事業所と連携して、最寄りの避難室の運営はお願いするとかしないとね。災害時には連携することが必要だと思います。
思いやりのあるまちづくりへ
兵庫県で、「横断歩道は歩行者優先で車は止まって!」って言い出したでしょ。長野県に会派で視察に行った時、横断歩道で立っていたら必ず車は止まるんです。思いやりの街だなと思いました。
帰ってきて「職員から率先してやっていきませんか」言うたら、「後ろから車ぶつけられる怖れもある」と言われた。そう言う感覚だったんです。でも、国や警察が言い出して、この5年で大きく変わったなと思うんです。
学校のタブレット導入のように、日本のデジタル化が後押しされて、デジタル教育が日本中進みました。4年前の選挙で多くの議員が公約として掲げていた内容ですよね。電子黒板、タブレットの導入。先を見据えなければなと思います。
国は子供たちに“おもちゃ”与えたわけではないですよねと。これを活用して“新しい学び”をするためなんです。活用できる環境整備をしなければならない。
まだ決定ではないですけど、令和6年度からデジタル教科書の導入の方向性は出ている。今、高砂で、英語と数学は試験的に中学校でデジタル教科書入ってるんですよ。その辺の活用と副教材もいっぱいあります。ただ、新しいことをやってくことに関して先生方は大変です。
可能性は大きいと思いますよ。子供たちも自分たちで自らゲーム感覚で知的に学ぶ姿勢も出てくると思う。
市にしっかり考えてほしいとこですね。デジタル教育の環境整備と、心の教育がどうやってできていくかが大事かなと。思いやりのまち。隣近所とも付き合いしなくても生活できる時代になってますからね。
防災も一つなんですけど、皆さん防災意識はあるんですよ、水や食料の備えとか、ただ何かしようとすると、めんどうだと言うのがあって、高齢者の独り住まいとか特に諦めてるところがある。それを変えていかなければいけない。
高砂はコンパクトでいい街ですからね。観光って言ってるけど、意味ないような気がするな。お金かけるのは勿体無い。工楽邸の周辺で3億円でしょ、確かに、来てくださる人も増えてるらしいですけど、いかんせん、お金を落とすところがない。土産物、飲食店、宿泊施設、等々、ない。もてなしができてると言えるのかなあ?と。
文化財でも入江家って曽根にあるんですけど、あれ修復するのに、3億4億かかるんですよ。土地と建物は寄付受けたんですけどね。良い家ですよ。高砂の歴史を感じます。でも、潰すべきではないですか?、と言うたんですよ。
県の文化財だから。文化財は必要だけど、今の文化財は観光施設の側面もあって、観光施設として成り立たへんのに文化財だから、3億4億もかけて、誰が喜ぶかと言う話です。
近所の人が無料で借りられる施設、お茶会とかお花見会とか、文化活動に使える部分ではあっても駐車場もないし、どうするの?と。潰した方がいい。潰したら戻せないよと言われるけどね。お金をかけて修復した後も毎年お金をかけて管理・整備していきますか?それを市民が望みますか?と思っています。昔の旧宅みたいなところ。残すなら個人や地域で管理してもらわないとダメですよね、と思ってるんですよね。観光施策のそういったところも問題があると思うんですよ。高砂は集客を増やす、イメージアップを図る、というバイアスが働いている。しかし、古くなったら潰しちゃう。プール無くしますけどね。2ヶ月しか使えない施設に2億3億かけるのもね。それより年中使える大型遊具を設置した方が良いんじゃないですか?そう言ったら、多くの方は納得してくれます。
Q.高砂の未来へ
区画整理と街の姿をどう変えていくか
高砂はしなければいけない課題はあります。高砂は古くから栄えた街なんで、車が入れないところは、各地域にあります。高砂町はまだマシかな。荒井、東本町、伊保の村の中、曽根も浜国の北側、米田町にも多くありますし、そういうところが各地にあって、火事でも起きたらどうするのかな?と。その辺をどのように再開発していくか。大きな課題になってくる。
多くが空家になってきているので、その辺り腰上げるべきだと思う。市がいうには、地域の人がこうやりたい、という提案がないと動けない言うんですけど、それは逆で、働きかけて行かんと動かない。できないかもしれないけど、きっかけを誰かがしないといけない。それは行政の役目だと思うんです。それをしないことには、高砂には未来がないと思ってるんです。
空家と高齢者だけが住んでいる状態で、災害が起きたときに大きな被害が出る。入り口に三階建てのマンションかなんか建てて、高齢者の方そっちに移っていただいた方が、安全やし、快適やし、便利やし。中は中で道路広げて、区画整理して、すれば、若い世代も入って来れるし、そういう形でやっていかないと手遅れになるかなと。1番大きな課題だと思います。
街の姿をどうかえていくだけだと思う。それができれば非常に大きな未来が開けると思うんです。
トップがどう判断するかで変わってくる。子育てでお金をかけるのも必要だけど競争みたいになっている、もっと違うところで、魅力が作れたらな、と。当然節約することはして、使うとこは使うというメリハリのある使い方が大事ですね。
ゴミ処理施設も広域化になって、負担も減りますし、これからは、やっぱり若い世代が入ってきやすいまちづくりです。どうやって、住宅地を整備していくか。それができたら、高砂市は面白くなる。人口構成が良くなると思う。
再開発で変わる街
サンモールの跡地も民間所有だから難しい。5年後くらいに駅前整備はやる予定ではありますが。
埼玉の流山や、東京の立川など、駅前の再開発で、ドーンと大きく開発して、街変わりました。人口が増える見込みが薄いからサンモール跡地の計画や開発も止まってるんだと思います。あとはタイミングですね。
宝殿駅の南側道路もあのままでは絶対いかんのですけど、市域が加古川市ですから。43年前、私が高校生の時は改札は南口しかなかった。40年前くらいに橋上駅にして北側を区画整理したんです。その時に一緒に南側の加古川市も一緒にしてもらっていたらと思います。
トップの執行権が1番大きなとこ。予算とか将来の財政とか、色々考えることいっぱいあるから、思い切ったことができるかといえば、バランス重視だから、難しいですよね。
人口減るのは仕方ないけど、人口構成が問題で現役世代をどう呼び込むかが必要ですね。
思いやりが大切
政策審議会とかに出てくださる人って、高砂のいいとこ、祭りがあることってみんな言うんですよ。しかし、住宅を購入するお客様から「ここはお祭りあるんですか?」と聞かれて、「あります」いうと、「嫌です」言いますから。会議に出てくる人と、一般の人は感覚が違う。「祭りがあるからいいんや」と言う人もいれば「祭りがあるからあかんのや」言う人もいる、というのは認識しとかないといけない。地域のつながり強い。地域のつながり嫌がっとる人もいるんやと。
その辺りありますから。いろんな人がおる中でつながりを作って押しつけはできない。意見違っても思いやりが大切だと思います。
ーーたかさご選挙.comレビュー・いしざき徹さん
思いやりと笑顔あふれるまちへ
温和で、独特のユーモアが魅力的な議員さんです。言葉の端々に天邪鬼さが見え隠れしますが、市民のためを想い、思いやりを大切にされているのが随所に感じられました。時代や環境の変化に伴うように、行政に求められるサービスも細分化される中で、忘れられてはいけない部分が「思いやり」ではないかと思います。その思いやりを大切に活動されている議員さんです。
高砂市議会議員・明風会・現職2期目。総務委員会委員長・市議会だより編集委員副委員長・広域ごみ処理施設対策特別委員会・決算特別委員会・高砂都市計画審議会委員。宅地建物取引士・2級建築士・補導委員・防災士・防災計画等策定専門家・ひょうご防災特別推進員・防災介護士・ドローンフライトオペレーター・認知症ケア指導管理士・NPO法人兵庫県防災士会常任理事事務長・子ども食堂「キッズキッチン」メンバー。