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市議の年収は、およそ1,000万円 ― そのお金で、私たちは”何”を買っているのか(年収編)
市議会議員の報酬が、いくらかご存じでしょうか?
加古川市の条例では、市議会議員の報酬は月額56万5,000円と定められています(議長は67万5,000円、副議長は61万2,000円)。報酬だけで、年に約678万円。これに期末手当(ボーナス)が加わると、年収はおよそ1,000万円規模になります。
この数字を、「高い」と感じるか、「妥当」と感じるか。それは人それぞれでしょう。ただ今日は、高い・安いを論じる前に、もっと手前の問いを置いてみたいのです。この約1,000万円で、私たち市民は、いったい”何”に対価を払っているのか——と。
※このサイトは広告を掲載せず、候補者からの資金も受け取っていません。報酬額は加古川市の条例に基づく事実です。
“実現”を買っているわけではない
まず、はっきりさせておきたいことがあります。私たちは、この報酬で「政策の実現」を買っているわけではありません。
市議会議員には、政策を一人で実現する権限が、ほとんどないからです。予算を編成するのも、執行するのも、職員を動かすのも、市長の側の仕事。市議にできるのは、議場で質問する権利と、31分の1の議決権だけ。「○○を実現します」という公約は、市議一人では構造的に果たせない——これは、別の記事で書いたとおりです。
つまり、「実現してくれること」に対してお金を払っている、と考えると、話が合わなくなります。実現する権限がない人に、実現の対価を払うことになってしまうからです。
では、何への対価なのか
答えは、実現の手前にある仕事です。
私たちの代わりに、市政に問いをぶつけること。膨大な予算に目を通し、おかしな点をチェックすること。執行する市長の側を監視し、議論で動かすこと。質問し、審議し、賛否を判断すること。——この「議論し、チェックする仕事」こそが、約1,000万円の対価なのです。
たとえるなら、私たちは”実行の結果”ではなく、“監視と議論というサービス”を、年間およそ1,000万円で買っている。そう考えると、見るべきポイントが、くっきりしてきます。
だから、問うべきはこうなる
報酬の額そのものを議論するのも、もちろん意味があります。けれど、有権者として本当に問うべきは、こちらだと思います。「この人は、約1,000万円に見合う”議論とチェック”をしているか」
幸い、それは確かめられます。掲げた公約を、議場でどれだけ問うてきたか。質問という権利を、4年間でどれだけ使ったか(加古川市議の場合、最多と最少で8.5倍の差がありました)。委員会でどれだけ発言してきたか。——これらは、報酬に見合う仕事をしているかを映す、具体的な記録です。議員通信簿では、その一つひとつを見ることができます。
報酬は、与えられて終わりではありません。その対価にふさわしい仕事をしているかどうかは、払う側の私たちが、見届けることができるのです。
明日、一票を投じる前に
年収およそ1,000万円。それは、市民に代わって問い、チェックし、議論する——その専門の仕事への対価です。
だとすれば、明日選ぶべきは、いちばん耳ざわりのいい公約を並べる人ではなく、その報酬に見合うだけ、鋭く問い、粘り強くチェックしてくれる人でしょう。
そして選んだあとも、見届けること。約1,000万円ぶんの仕事をしているか、4年間、私たちの目で確かめ続けること。それが、対価を払う側の、いちばん大切な権利であり、責任なのだと思います。